
寝つきが悪くて毎日睡眠不足なのに、早起きして朝活なんてできません。
布団に入ってすぐ眠れる人は幸せですが、布団に入ってもなかなか寝付けず、いつ入眠できるかは運次第という人もいると思います。
私自身も寝つきは最悪で、布団に入って1時間以上眠れないことは日常茶飯事です。
そんな私にとって、朝活よりもまず必要だったのは、睡眠に向けて徐々に心と体を整えていく「夜活」でした。
本記事では、どうすればスムーズに眠りに落ちることができるのかを考察していきます。
すぐに眠って、すっきり起きて、翌朝の「脳のゴールデンタイム」を最大限に活用しましょう。
01 「床上時間」という見えないロス

布団に入ってすぐ眠れる人がうらやましい…
一般に、毎日必要な睡眠時間は約7時間。
これでも欧米の平均と比べると少ないと言われています。
それでも、せっかく7時間分の睡眠時間を確保しても、寝つきが悪いと布団の中でなかなか眠れず、実質的な睡眠時間はもっと短くなってしまうのです。
そもそも、就寝してから入眠するまでの「床上時間」は、睡眠の中で最も無駄な時間です。
ここを短くすることで、実質的な睡眠時間が増え、睡眠の質も向上します。
そして何より大きいのは、睡眠時間を計画的に考えることができるようになること。
「眠る準備」を整えることで、睡眠は運任せではなく、設計できるものになるのです。
今まで入眠に1~2時間かかっていた人は、それだけ自分のために使える「可処分時間」が増えるということです。
この床上時間という「見えないロス」を減らし、睡眠不足を防ぎ、自由に使える時間を増やしていくことこそが、夜活の目的です。
- 「床上時間」は睡眠の質と可処分時間を左右する重要な指標である。
- 入眠までの時間を短縮することで、実質的な睡眠時間と生活の自由度が向上する。
- 夜活によって睡眠は「運」ではなく「設計」できる行動になる。
02 スムーズに眠るためにはどうすればいいのか

夜活でスムーズに眠れるようになると、朝に使える時間が増えるんですね。
夜活は、スムーズに眠りに落ちるための準備の時間。
スタンフォード大学の研究では、「入眠準備は就寝の約90分前から始めるのが理想的」とされています。
この「就寝90分前」を意識することで、眠りの質がぐっと高まります。
勉強は就寝90分前までに切り上げて、そこからは夜活モードへ。
入浴、歯磨き、ふりかえり、静かなインプットなど、心と体をととのえる時間です。
入浴で眠るスイッチを入れる
夜活のスタートは、入浴です。
睡眠研究の第一人者・西野精治教授(スタンフォード大学)によれば、入眠には「深部体温の下降」が重要な鍵になるそうです。
寝る90分前に入浴すると、深部体温が一時的に上がり、その後ゆるやかに下がっていきます。
この体温の下降が、脳と体を「入眠モード」に切り替えるスイッチになるのです。
たとえば、40℃のお風呂に15分入ると、深部体温が約0.5℃上昇。
そこから約90分かけて体温がゆるやかに下がり、自然な入眠が促されるというメカニズムです。
「書く瞑想」で静かに振り返る
入浴を済ませ、歯磨きやスキンケアを終えたら、脳のクールダウンメモとして、1日のふりかえりをノートや手帳に書き出してみましょう。
古川武士『書く瞑想』によれば、1日15分紙に書き出すことで、思考の整理や感情の放電と充電、自己対話による気づきが得られ、心が整うとされています。
頭の中の「おしゃべり」を紙に吐き出すことで、思考が静まり、安心感が生まれます。
ネガティブな感情を放電し、ポジティブな感情を充電することで、心のバランスが整い、眠りへの準備が自然に進んでいくのです。
頭が冴えない程度のインプットならOK
「夜の勉強を早めに切り上げて可処分時間を増やすというのは本末転倒では?」と感じる人もいるかもしれません。ご安心を。
夜活の中心は、入浴や歯磨きなど生活に必要な「消費」の時間ですから、実際は時間のロスではありません。
それでも「何か学びたい」「少しでも前に進みたい」と感じるなら、頭が冴えない程度のインプットを取り入れるのも一考です。
脳は眠っている間に記憶を整理するので、もともと入眠前はインプットに適した時間でもあります。
ただし、夜活の目的は脳を鎮めていくことです。
たとえば、音読・やさしい復習・静かな読書など、「眠りに寄り添う学び」を選びましょう。
- 眠りの質を高めるには「就寝90分前」からの準備が重要である。
- 入浴による深部体温の下降が、脳と体を入眠モードに切り替える鍵になる。
- 書く瞑想や静かなインプットによって、心と脳を鎮める夜活が可能になる。
03 夜活90分タイムライン

たとえばどういう感じになりますか?
以上を踏まえてタイムラインにすると、夜活はこんな感じになります。
ここでは22:30に布団に入ると想定しました。
21:00 勉強終了
21:15 入浴(40℃で15分)
21:45 歯磨き・スキンケア
22:00 書く瞑想・振り返り
22:15 静かなインプット
22:30 就寝
23:00に入眠したとして、7時間睡眠で翌朝6:00起床。
朝活につながる夜活が、やさしく整った1日を支えてくれます。
04 スムーズに眠るための快眠環境を整える

今晩からさっそくやってみます!
他に何かコツってありますか?
みなさんは「コンフォート原則」をご存じですか?
これは、毎日長時間使うものにこそ快適さを求めてお金をかけることで、生活の満足度や幸福度を高めるという考え方です。
この視点で考えると、毎日7時間も費やしている睡眠にお金をかけることは、非常に理に適っています。
枕:最も手軽に眠りを変える寝具
枕は、最も手軽に入眠を変えることのできる寝具です。
高さや硬さが合っていないと、首や肩に余計な力が入り、入眠に時間がかかることも。
素材・高さ・形状・通気性など、選択肢が多すぎて、自分にぴったりな枕を探し始めると「沼」にはまる世界線もあります。
そんな中で私がたどり着いたのは、安価なハードパイプ枕でした。
パイプ枕は中のパイプ素材を調整すれば、固さも高さも自由に調節可能。
ウレタン素材は経年劣化で形が変わりやすいものですが、パイプ枕なら詰め替え補充だけで蘇ります。
こうしたカスタマイズ性能は、パイプ枕が一番高いと感じています。
もちろん、いずれ「じぶんまくら」などの高級枕にも憧れはありますが、「そこまでしなくとも…」という方には、ハードパイプ枕、おすすめです。
シーツ:肌ざわりが眠りの安心感をつくる
シーツは、肌に直接触れるもの。
この肌ざわりの好みは、入眠に直結する感覚的な要素です。
私は摩擦があるタオル地のシーツが好きで、たまにホテルなどでつるつるしたシーツになると、まったく眠れなくなります。
それほど高い買い物ではないのに、その効果はとても大きいと実感しました。
素材には、コットン・リネン・パイル・シルクのような肌触りなど、さまざまな選択肢があります。
どれがいいかは、完全に好みの問題。
だからこそ、自分の落ち着く質感を知っておくことが、快眠への近道になります。
マットレス:眠りを支える寝具の基礎
マットレス選びのポイントは、寝返りのしやすさと通気性。
この2つが整っていると、眠りの質がぐっと安定します。
寝返りには、「血流の改善」「筋肉のこわばり防止」「体温調節のサポート」「姿勢の調整」など、眠りの中で体を守るさまざまな効能があります。
この動きを自然にサポートしてくれるかどうかが、マットレス選びの大きなポイントです。
単純に「柔らかい方がいい」「固い方がいい」という話でもなく、自分の寝姿勢に合ったマットレスを選ぶことが大切です。
その意味では、Amazonのレビューをあまり鵜呑みにできないのは難しいとこかもしれません。
また、通気性の高いマットレスは、睡眠中の熱を逃がしやすく、深部体温の自然な低下を促します。
これにより入眠がスムーズになり、睡眠の質も向上します。
ただし、畳やフローリングに布団を敷いている場合、冬場は地面からの冷気がじわじわと体に伝わってきて、寒くてなかなか寝付けないこともあります。
快適な睡眠環境のためには、ある程度の厚みを確保することも大切です。
正直、マットレスも「沼」がある寝具です。
しかも枕より高価なので、気軽に買い替えることもできず、延々と「マットレス探しの旅」をする人もいます。
逆にいえば、自分に合ったマットレスというのは一生の財産。
眠りの質を支える基礎として、じっくり選んでいきたい寝具です。
- 快眠環境は生活の満足度を高める重要な投資対象である。
- 枕・シーツ・マットレスはそれぞれ入眠の質に直結する要素。
- 特にマットレスは一生モノの寝具として慎重に選ぶべき。
灯さんノート:夜活まとめ

ここまで読んでくださってありがとうございます。
夜の時間の使い方、少しずつ見えてきましたね。
最後に、この記事のポイントをまとめておきます。
自分の生活に取り入れるときは、ここを意識してみてください!
- 寝つきの悪さは可処分時間を奪っている。
- スムーズな入眠には「就寝90分前」からの準備が効果的。
- 快眠環境への投資が睡眠の質を左右する。
まとめ:朝活は夜から始まる
今回は、スムーズに入眠するための夜活について考察してきました。
朝活というのは夜の段階から始まっています。
ぜひ夜の時間を大切にして、充実した朝活を実現しましょう。
最後にもう一つ。
スマホや動画視聴は、就寝30分前になったら切り上げましょう。
よく「ブルーライトが睡眠の妨げになる」と言われますが、それ以上に問題なのは、脳が興奮してしまうからです。
動画の展開やSNSの情報量は、脳を「活動モード」に引き戻してしまいます。
もちろん、布団の中でスマホを見るのは最悪です。
いつまでも眠れなくなる「泥沼モード」に突入してしまいます。
もし布団の中でこのページを読んでいる方がいたら、今すぐブックマークしてスマホの電源を切りましょう。
また明日お持ちしています。
それでは、おやすみなさい。



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