
すきま時間が大切なのはわかってます。
でも、実際にやろうとするとうまく使えないんです…
「すきま時間」とは、予定と予定のあいだに生まれる短い空白時間のこと。
忙しく働きながら合格を目指す兼業受験生にとっては、こうしたすきま時間に勉強を積み重ねることが「当たり前」です。
けれど、大切だとはわかっていても、目的もなくスマホを眺めたり、SNSや動画を惰性で見続けたり、なかなか上手に使えないというのも現実です。
そこで今回は、すきま時間を上手に使える仕組みづくりについて考察していきます。
すきま時間を使うことが当たり前になれば、それは合格への大きな武器になるでしょう。
01 すきま時間で「何をするか」を決めておく

すきま時間をうまく使うコツってなんですか?
すきま時間がうまく使えない最大の理由は、「何をするか」が具体化されていないことだと思います。
空白ができた瞬間に何をどうするかが、日頃からイメージできていないと、迷っているうちに時間は過ぎてしまいます。
そして、行動が曖昧なままだと、スマホをなんとなく眺めたり、SNSをサーフィンしたり、気づけば、すきま時間は「浪費」されて終わってしまうのです。
さらに、あれもこれもやろうと欲張ってしまうと、かえって動けなくなることもあります。
すきま時間は短いからこそ、「これだけやる」とピンポイントで決めておくことが大切です。
たとえば、「すきま時間はスマホを出してAnkiで弱点を復習する」というところまで落とし込んでおけば、時間ができた瞬間に、直ちに行動に着手できます。
慣れてくれば、無意識で動けるようにもなるでしょう。
具体的な行動が決まっているだけで、すきま時間は当たり前に使える時間に変わるのです。
- すきま時間が使えない最大の原因は、「何をするか」が曖昧なこと。
- やることを1つに絞って具体化しておくと、迷わず行動できる。
- 具体的な行動が決まっていれば、すきま時間は自然と使えるようになる。
02 すきま時間に向いている学習法と注意点

具体的に何を勉強したらいいんでしょう?
すきま時間は、基本的にインプットと相性がいい時間です。
記憶のメカニズムでは、「忘れた頃に思い出すこと」が記憶の定着を強化するとされています。
つまり、すきま時間にちょこちょこ復習するだけで、自然と「分散効果」が得られるのです。
また、すきま時間は「新しいことをじっくり理解する」勉強より、学習したことを「思い出す」「確認する」といった自己テスト型の学習とは非常に相性が良い時間帯です。
たとえば、スマホで一問一答を開いたり、暗記カードをめくったり、短時間でも記憶を刺激することができます。
「アクティブリコール」の注意点
そう聞くと、「アクティブリコール」を思い浮かべる人も多いでしょう。
アクティブリコールは、道具も場所も選ばず、思い出すだけで記憶を強化できる、まさに“徒手空拳”でできる最強の記憶術。
すきま時間との相性は抜群に見えます。
何も見ずに、自分の記憶だけを頼りに「思い出そうとする」だけで、脳はその情報をより深く刻み込もうとします。
ただし、ここで注意したいのが、その強力さゆえの落とし穴です。
アクティブリコールは、「思い出すこと自体が記憶を強化する」という性質を持っています。
だからこそ、間違って思い出した情報も、強く定着してしまう危険があるのです。
脳は「正しく思い出したかどうか」よりも、「思い出そうとしたかどうか」に反応して記憶を強化します。
つまり、誤った情報を何度も思い出してしまうと、それが“正しい記憶”として脳に刻まれてしまう危険性もあるのです。
これは「誤答の定着」や「記憶の混線」につながり、後々の学習に悪影響を及ぼすこともあります。
そして、脳は「憶える」より「意識的に忘れる」ほうが、ずっと難しい。
実際、私も行政書士試験合格後に民法の大改正があり、記憶の書き換えには苦労しました。
一度定着した情報を修正するには、かなりの時間と労力が必要になります。
だからこそ、すきま時間にアクティブリコールをするなら、正確な答え合わせがすぐにできる環境とセットで使うことが大切です。
意外に「徒手空拳」は危険なのです。
暗記カードやAnkiのように、すぐに正解が確認できるツールは、アクティブリコールの強力さを安全に活かすための頼れる味方になります。
- すきま時間は復習や自己テスト型の学習と相性が良く、分散効果が得られる。
- アクティブリコールは強力だが、誤った記憶も定着させてしまうリスクがある。
- アクティブリコールは、正確な答え合わせができるツールとセットで使うことで、安全かつ効果的に活用できる。
03 すきま時間を「1日3回のクエスト」にする

でも、なかなか習慣にできないんですよね…
すきま時間を使えるようになりたい。
そう思っても、気分やタイミングに左右されて、なかなか続かないこともあります。
「今日は忙しいから」「なんとなく気が乗らない」
そんな日もあるのが人間です。
そこでおすすめなのが、「1日に3回、すきま時間を使う」というクエスト形式の目標設定です。
ここで大切なのは、「すきま時間で何を達成したか」ではなく、「すきま時間を使ったかどうか」そのものをミッションにすることです。
これは、心理学者ジェーン・マクゴニガルが提唱する「スーパーベター」の考え方にも通じます。
日々の行動を「ちいさな冒険」として捉えることで、習慣化のハードルがぐっと下がるのです。
たとえば:
どんなに短くても、「すきま時間を使った」という事実が、クエスト達成の証になります。
もちろん3回に慣れてきたら、5回、10回…と数を増やしていくのもゲーム感覚で楽しいでしょう。
そして、クエストを達成できた日には、カレンダーに〇印をつけて記録していくと、習慣の鎖が少しずつ伸び始めます。
昨日もできた、今日も続いた。
その積み重ねが、やがて「失いたくない習慣」へと育っていくのです。
- すきま時間は気分やタイミングに左右されやすく、継続が難しい。
- 「すきま時間を使うこと」をミッションにすることで、習慣化のハードルが下がる。
- クエスト形式で記録を積み重ねると、すきま時間が「失いたくない習慣」に育つ。
灯さんノート:すきま時間まとめ

ここまで読んでくださってありがとうございます。
すきま時間の上手な使い方、少しずつ見えてきましたね。
最後に、この記事のポイントをまとめておきます。
自分の勉強に取り入れるときは、ここを意識してみてください!
- すきま時間に何をするかを具体的に決めておく。
- すきま時間は、復習や自己テスト型の学習と相性がいい。
- アクティブリコールは強力だが、誤答定着に注意。
- 「1日3回使う」クエスト形式で習慣化しやすくなる。
まとめ:すきま時間を「使う」から「探しに行く」へ
今回は、すきま時間の上手な使い方について考察してきました。
すきま時間の行動を明確にすること。
すきま時間に相性の良い勉強法。
そして「1日に3回すきま時間を使う」というクエストの設定。
こうした工夫を重ねることで、すきま時間は「ただの空白」ではなく、「育てる時間」へと変わっていきます。
そして、すきま時間が上手に使えるようになってくると、やがてすきま時間が来るのを待つのではなく、自分からすきま時間を探しに行くようになります。
エレベーターの待ち時間、レジの列、電車の乗り換えなど、日常のすきまが学びの冒険に変わっていくのです。



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