灯音楽を聴きながら勉強するのって、やっぱりダメなんですか?
結論から言えば、脳はマルチタスクができないので、音楽を聴きながらの勉強は集中力を分散させてしまいます。
よって、理屈の上ではNGです。
が。
この問題、そんなに簡単に結論づけていいのでしょうか?
たとえば、好きな音楽を聴きながら勉強をすることで、勉強のやる気が出て毎日机に向かえるというのなら、そんなに悪い話でもないような気もします。
ただでさえ貴重な「勉強のやる気」を、たかが音楽を聴くだけで得られるなら、それは安い買い物じゃありませんか?
そこで今回は、マルチタスクが集中力に及ぼす弊害を踏まえたうえで、「ながら勉強」の是非について考察していこうと思います。


- 大学受験の指導経験は10年以上
- 自身も行政書士試験に独学で合格
- 現在は生成AIを活用した勉強法を研究中
脳はマルチタスクができない



2つのことを同時にやった方が効率は良さそうだけど?
同時に複数の仕事をすることを「マルチタスク」といいます。
例えば「単語覚えながらアキレス腱伸ばしながらサンドイッチ」というのは絵に描いたようなマルチタスクです。
マルチタスクは時間を効率よく使っていると錯覚しがちですが、脳科学の観点から言うと非常に生産性の低い行為だそうです。
というのも、人間の脳というのは一度に一つのことしか処理できないから。
一見複数のことを処理しているように見えても、それは脳が猛烈なスピードで交互にタスクを切り替えているに過ぎず、対象を切り替えるたびにロスが生じるため、切り替えが頻繁であるほど結果的にそれぞれのタスクのパフォーマンスは低下してしまうのです。
目の前にあるタスクに集中して取り組み、それが終わったらきちんと頭を切り替えて次のタスクに移る。
同時進行のマルチタスクはやめて、一点集中の「シングルタスク」を心がける。
これが正しい理屈なのは大前提です。
音楽を聴きながら勉強する



じゃあ、やっぱり音楽を聴きながら勉強するのはNG?
図書館に行くと、イヤホンをつけて勉強をしている高校生たちがたくさんいます。
全員がノイズキャンセリングで耳栓代わりにしているわけでもないでしょうから、きっと音楽を聴いているのでしょう。
理屈では、音楽を聴きながらの勉強はNGです。
脳はマルチタスクができないため、音楽の処理と勉強の処理がぶつかり合い、集中力が分散してしまうからです。
しかし、冒頭でも書いたように、好きな音楽を聴きながら勉強することで、勉強する気になったり、長時間の勉強を続けやすいというなら、それはその人にとっての勉強法と言うこともできます。
もちろん、歌詞のある音楽やテンポの激しい曲は注意を奪いやすいというデメリットがあります。
一方、クラシックや環境音、聞き慣れた曲なら「背景音」として処理され、集中の妨げになりにくいという研究もあります。
あるいはトランスやミニマルテクノは、現代の「集中用BGM」として定番になっているジャンルです。
同じメロディが繰り返されると脳は処理を省略し、音楽は環境音のように扱われるのです。
とはいえ、興味もない曲を「集中にいいから」と小賢しく聴くくらいなら、自分の好きな音楽を選ぶ方がずっと合理的です。
どちらにせよマルチタスクという意味では同じですから。
マルチタスクの弊害を知ったうえで、それでも音楽を聴きながら勉強したいのなら、それも立派な次善策でしょう。
オールナイトニッポンを聴きながら勉強する



ラジオを聴きながら勉強するのは?
オールナイトニッポンは、かつて受験生の定番ラジオ番組でした。
深夜の静けさの中、ラジオから流れるパーソナリティの声、くだらない話、ハガキ職人の投稿、時々流れる音楽が、孤独な勉強を少しだけ和らげてくれます。
あの「ビタースウィート・サンバ」や「ステイ・ウィズ・ミー」を聴いて、受験生時代を懐かしく思い出す人も多いでしょう。
理屈で言えば、ラジオを聴きながらの勉強はマルチタスクです。
脳は音声を処理しながら、問題を解いたり、暗記したりしなければならない。
だから、集中力は分散するし、効率も落ちる。
オールナイトニッポンを聴きながら勉強するのはもちろんNGでしょう。
しかし、オールナイトニッポンを聴きながら勉強するというのは、「If-Thenプランニング」の一形態とも言えます。
たとえば、「オールナイトニッポンが始まったら勉強を始める」と決めている人にとっては、あのビタースウィート・サンバが勉強のスイッチです。
深夜1時、ラジオのオープニングが流れたら机に向かう。
そんな習慣ができているなら、それは立派な「仕組み」です。
そこから2時間、あるいは第2部まで4時間、たとえラジオの内容に気を取られて効率が悪かったとしても、勉強をするなら、ただ寝ているよりもずっといいはずです(睡眠の問題はさておき)。
それが習慣として根づいているなら、マルチタスクの効率の悪さと「比較衡量」しても、十分に元が取れている気がします。
「ながら勉強」の問題は、そんなに単純ではないのです。


YouTubeを見ながら勉強する



YouTubeで動画を見ながら勉強するのもダメ?
今の時代、最も多いのはYouTubeとの「ながら勉強」でしょう。
勉強中に流す作業用BGM、勉強系YouTuberのライブ配信、あるいは「ながら見」の雑談動画など、その形はさまざまです。
理屈で言えば、YouTubeを見ながらの勉強はマルチタスクです。
映像と音声の両方を処理する必要があるため、脳の注意資源は大きく分散します。
YouTubeを見ながらの勉強はNGでしょう。
しかし、これも音楽やオールナイトニッポンと同じで、YouTubeを聴きながら勉強することが「仕組み」になっているなら次善策です。
YouTubeが勉強の「やる気スイッチ」になっている場合もあるでしょうし、「If-Thenプランニング」で習慣になっている場合もあるでしょう。
脳のマルチタスクの問題と比較衡量して、好きに決めればいいのです。
ただし、YouTubeの場合は、もうひとつちゃんと知っておかなければならないことがあります。
YouTubeは音楽やラジオとは比べ物にならない「特級呪物」です。
使い方を誤れば、学習者の時間を丸ごと飲み込んでしまう力を持っています。
このYouTubeの力については別記事で詳しく考察していますから、必ず読んで、その上でしっかり考えましょう。


正しい知識を身につけて柔軟に



勉強って効率だけの問題じゃないんですね。
音楽、ラジオ、YouTube…どれも一見すると集中力の妨げになるようでいて、使い方次第では勉強を支える「仕組み」にもなり得ます。
大切なのは「リスクを知ったうえで、柔軟に選ぶこと」です。
脳の性質や注意資源の限界はひとつのリスクとして、それを上回るメリットがあるというなら柔軟に選択すればいいのです。
完璧じゃなくても、続けられることがいちばん強い。
楽しく勉強することは、あらゆる効率を超越するのです。
Akari NOTE:ながら勉強まとめ



ここまで読んでくださってありがとうございます。
ながら勉強について、少しずつ見えてきましたね。
最後に、この記事のポイントをまとめておきます。
自分の勉強に取り入れるときは、ここを意識してみてください!
- 脳はマルチタスクができないため、音楽や映像は集中力を分散させるリスクがある
- それでも「やる気スイッチ」や「習慣化の仕組み」として使うなら、次善策として成立する
- 重要なのは、リスクを知ったうえで、自分に合った使い方を柔軟に選ぶこと
5分でできる行動:自分のマルチタスクをひとつひとつ検討する







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