適当主義:完璧主義という名の病を手放して8割完成を選ぶ理由

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欠けた月を趣深く眺める灯さん

勉強は適当にするのがいいの?

「適当」ほど誤解されやすい言葉はありませんね。
まあ、わかっていてわざと書いてるんですが。笑。
適当というのは、決して「手抜き」「雑」という意味ではなく、「ふさわしい」「ちょうどいい」という意味。
試験勉強においては、むしろ目指すべき姿です。

真面目な受験生ほど完璧を目指すあまり、効率の悪い勉強になったり、始められなくなったり、続けられなくなったり、かえって弊害が多いのです。

そこで今回は、完璧主義を手放して「適当マインド」を選ぶ理由を、4つの視点から考察していきます。
徒然草にも「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは」とあります。
完璧よりも、少し「余白」があるくらいが、ちょうどいい。
それが日本人の古来からの哲学です。
試験勉強の「ちょうどよさ」を、一緒に探っていきましょう。

この記事を書いた人
サーチライト
サーチライト
  • 大学受験の指導経験は10年以上
  • 自身も行政書士試験に独学で合格
  • 現在は生成AIを活用した勉強法を研究中
目次

パレートの勉強法則:重要な20%に集中する

どうして完璧を目指しちゃいけないんですか?

「パレートの法則」をご存知でしょうか?
イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱したもので、「全体の80%の成果は、20%の要素から生まれる」という有名な法則です。
「80対20の法則」と呼ばれることもあります。

さて、この法則は試験勉強にも応用できると思っています。
私は「パレートの勉強法則」と呼んでいます。

入試や資格試験の多くは、100点満点を求めるものではありません。
80%の得点で合格できる試験がほとんどです。
だとすれば、重要な20%の論点を見極めて、そこに集中することが合格への最短ルートです。
教科書で強調されている部分、過去問で繰り返し出題されている論点など、「絶対に落とせない部分」に絞って勉強する。
これが効率よく高得点に結びつける秘訣です。

また一方で、試験に合格することだけを目指すなら、「100%を目指さない」ことも大切です。
100%を目指すとなると、重要ではない80%の要素に対してもアプローチが必要になります。
試験勉強でいえば、100回に1回しか出題されないような些末な論点まで、すべてさらうように勉強する必要があるということです。
80%の得点で合格できる試験においては、こうした完璧主義の勉強は効率が悪すぎるのです。
試験勉強で「むやみに手を広げてはいけない」と言われるのは、そのためです。

適当マインドと完璧主義の対比図。パレートの法則に基づき、100%の努力でなく重要20%に集中し、効率よく8割合格点を目指す勉強法を示す

重要な20%に集中すれば、80%の得点につながります。
100%を目指すために、残り80%の非効率な勉強をする必要はありません。
完璧を目指すより、適当にちょうどよくやること。
それこそが、試験勉強における最適解になるわけです。

記憶の原理:走りながら完成させていく

完璧を目指すのは効率が悪いんですね。

じっくり完璧を目指して勉強するというのは、先ほど解説した「パレートの勉強法則」だけでなく、「記憶の原理」の観点からも、効率のよい勉強とは言えません。

いきなり話は逸れますが、先日「鬼滅の刃」を大人買いしました。
そして最初は普通に1巻から23巻まで順番に読みました。
ただ、大筋のストーリーは何となくわかったものの、細かいところはぼんやりでした。
柱の名前も全員は言えませんでした。
そこで続いて気になった編をピックアップして読みました。
特に「刀鍛冶の里編」と「無限城編」は何度か読みました。
そうすると他の編も気になってきて、再び1巻から23巻まで通読しました。
今度は「柱稽古編」が好きでした。
今では有名な台詞も頭に入っています。
私の推しは伊黒さんです。
そして思ったのです。
このプロセスは受験勉強と非常によく似ている、と。

勉強した内容が一度で頭に入るなら、誰も受験勉強に苦労はしません。
一度で憶えられないからこそ、何度も周回するのです。

効率的な周回とは、まずざっくり全体像をつかみ、気になった部分をピンポイントで攻略し、再び全体に戻って復習すること。
この繰り返しの中で、対象の解像度が徐々に上がり、細部まで見えるようになっていきます。
記憶とは、そうやって育つものです。

だからこそ、1周目から完璧を目指す必要はありません。
むしろ、最初は全速力で駆け抜けるくらいがちょうどいい。
どうせ細かいところは頭に入りませんし、既存知識が少ない段階では、理解にも限界があります。

それでも、テキストを一通りやり切ったという経験は、立派な成功体験になります。
章立てや所要時間、難所の感触などをつかめれば、それだけで十分な収穫です。

そして2周目、3周目と重ねるごとに、設問の意図や論点、必要な知識、解答の型などが見えてきて、理解の深さも、周回のスピードも、自然と上がっていくのです。

教科書をじっくり10日間かけて1周読むより、1日で「適当に」読んで10周する方が、記憶の定着度は格段に上がります。
完璧な1周は存在しません。
「走りながら完成させる」適当マインドに軍配が上がるのです。

ツァイガルニク効果:あえて終わらせないという選択

中途半端なところで止めると気になりますよね?

人は、完了した作業よりも、途中で中断された作業のほうを強く記憶する傾向があります。
これは「ツァイガルニク効果」と呼ばれる心理現象で、未完了の状態が心に引っかかり、再開への意欲を高めると言われています。

あと1問だけ残したまま問題集を閉じる。
教科書のきりのいいところまで読まずに、中途半端なところで中断する。
すべてを完璧に終わらせようとするのではなく、あえて「あと一歩」のところで止めておく。

すると翌日、再開のハードルがぐっと下がり、「続きが気になるから、ちょっとだけやろうかな」という気持ちが自然に湧いてきます。
これは勉強を習慣化するための一工夫。

少し話は逸れますが、文章を書くときも同じです。
最後まで書き切らずに一晩寝かせておくと、翌朝ふと良いアイディアが閃くことがあります。
未完成の状態が、思考の余白を生み、創造のきっかけになるのです。

「あえて終わらせない」こともまた選択肢のひとつ。
科学に裏付けられた立派な戦略なのです。

やりぬく仕組み:「オール・オア・ナッシング」は危険思想

そういえば完璧を目指さないのは習慣化でも重要でしたね。

試験勉強は、とにかく続けることに意味があります。
完璧に予定をこなせなくても、やらないよりはやったほうが絶対に正解なのです。

しかし、完璧主義に陥ると「完璧にできないならやらないほうがいい」と考えてしまう傾向があります。
こうした「オール・オア・ナッシング(全部かゼロか)」という思考は、せっかく身についてきた習慣を、一瞬で反故にしてしまう可能性を孕んだ危険思想です。

長い受験勉強では、雨の日も必ず訪れます。
気分が乗らない日、体調がいまひとつの日、予定外の急用が入ってしまった日…、そんな日もあります。
そういう日は、机に向かうだけでも十分です。
調子が悪いのにほんの少しでも勉強したことが、思っている以上に貴重なのです。

完璧ではない勉強でも、「それでも続けることができた」という事実は、その先の習慣を支える力になります。
そして何より、自分への信頼につながります。
完璧でもゼロでもない「できる範囲で適当に勉強した日」が、習慣の鎖をつなぐのです。

Akari NOTE:適当主義まとめ

ここまで読んでくださってありがとうございます。
完璧主義を手放して適当主義を選ぶ理由について、少しずつ見えてきましたね。
最後に、この記事のポイントをまとめておきます。
自分の勉強に取り入れるときは、ここを意識してみてください!

この記事でわかったこと
  • 試験勉強は100%を目指す必要はなく、重要な20%に集中することで効率的に合格点に届く。
  • 完璧な1周は存在しない。走りながら完成させることで、周回ごとに知識の解像度が上がり、記憶が定着する。
  • ツァイガルニク効果を活かし、あえて終わらせないことで習慣化と再開の意欲を高められる。
  • 「全部かゼロか」という危険思想を避け、できる範囲で続けることが習慣と自己信頼につながる。

5分でできる行動:今読んでいるテキストを、あえて中途半端なところで止めて、翌日再開する

勉強法1.0の全体像を確認したい方は、索引ページをどうぞ。

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この記事を書いた人

塾講師 × 独学合格者 × ブロガー。
塾講師としての指導経験から行政書士試験に独学合格。
その実践知をもとに、独学兼業でも短期合格できるロードマップを体系化。
現在は、生成AIを活用した勉強法や文章術を試行中。
趣味も勉強の一部です。
初音ミクに脳を焼かれている。

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